湘南啄木文庫ブログ

このブログは佐藤勝が個人的に収集した歌人・石川啄木に関する「よろず」情報を紹介いたします。また、私の雑多な日常的な話題や趣味の世界(落語や演劇鑑賞、読書体験)なども記してゆきますが、いずれの部門の同好の方々からのご協力なども頂くことが出来れば有難いです。なお、石川啄木に関する文献を主にした「湘南啄木文庫」のホームページ(http://www.ne.jp/asahi/shonan/takuboku/)の方も覗いて頂ければ嬉しいです。

「啄木と茂吉」を考察した貴重な本を倉橋健一氏が刊行!

このたび、毎日新聞(大阪本社版:夕刊)に倉橋健一著『歌について ~啄木と茂吉をめぐるノート~』(思潮社)が最近刊行されたことが大きな話題として載っていることをネットで知った。

 私も早速取り寄せて読んでみた。先ず凄く濃い内容である。このように、「啄木と茂吉」の2冊の処女歌集軸に捉えて論じたものは長短は別にして、これまでにも何篇かあったが、倉橋氏のような感覚で捉えて論じられたものを私は知らない。

とにかく、均衡のある捉え方に私は著者の人格というか詩人としての骨の太さを感じてしまった。

啄木の夭折と大成した茂吉を同格に捉えて論じ、それを当然としたところに著者の人格を感じるのである。

☆☆☆☆☆

余談になるが先年、自費出版専用のような所から出た啄木論?だと著者が云う本を読む機会があった。それはあまりにつまらない内容なので紹介するのも躊躇されたと前置きして紹介したら著者から「立派な」恫喝の手紙が来た。その内容は稚拙で「削除しなければ、名誉棄損と営業妨害で訴える」という内容であったが、このような本は誰にも買ってほしく無いから喜んで即座に削除したことがあった。

 

さて、余談の話しは別にして倉橋健一氏が、啄木の『一握の砂』と茂吉の『赤光』を並立して論じた本書は素晴らしい内容です。どなたにもご一読をお薦めしたいと私は思う。

倉橋健一著『歌について ~啄木と茂吉をめぐるノート』(思潮社 2640円+税)

倉橋さんの人と著書が紹介された毎日新聞(大阪本社版の有記事)

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