湘南啄木文庫ブログ

このブログは佐藤勝が個人的に収集した歌人・石川啄木に関する「よろず」情報を紹介いたします。また、私の雑多な日常的な話題や趣味の世界(落語や演劇鑑賞、読書体験)なども記してゆきますが、いずれの部門の同好の方々からのご協力なども頂くことが出来れば有難いです。なお、石川啄木に関する文献を主にした「湘南啄木文庫」のホームページ(http://www.ne.jp/asahi/shonan/takuboku/)の方も覗いて頂ければ嬉しいです。

不真面目なふりした、真面目な図書! 閻魔悪太郎著『ゲザの戯曲・石川啄木』(文芸社/文庫本/225頁/700円+税)

本書は著者の「閻魔悪太郎」というペンネームからして、ふざけているのであるが、これは悪戯に読者を刺激するための内容のものでは無い?と言いたい。が、真面目な啄木図書の読者への刺激を煽るようなところもある。しかし意外と真面目に啄木を読まれた方の「啄木観」でもある。

本書のように著者が自分流に啄木短歌を解釈したものであることの善し悪しについては言うまでも無く読者が決めるものである。

著者は歌詠みでもあるらしいが、身分を明かさない事由の1つには、啄木短歌の本質を捉えて無いと思える箇所も少なくないことを著者自身が承知しているようだからである。

私が気になったのは、本書が若い男性の読者を意識してなのか性的な面からの啄木紹介?には、異常なほどに執拗に他者の言葉を引用していることにも辟易したが、思わず笑ってしまうような深読みの面が多い。これも閻魔氏ならではの表現であると思えば気にならないことかも知れないが・・・。

が、されど、閻魔氏が自分の言い分を押し通すために?他者の著作を自分の都合の良い所だけ引用して、閻魔氏なる人物の言葉は、ワザとのように難解語を並べている所などは陳腐にも見える。

現代の若者には何も響くものは無いことを猛省してほしいと思いながら読んだが、現代の本を読む力のある高校生や大学生なら「なんだ、この程度で大袈裟なことを言って」と、本を閉じてしまうしまうこともあると思うが、閻魔氏の世代(実は不明)では、大袈裟に語りたい内容であったと思えば、この辺りも稚拙だが面白く読める。

その内容は写真の最終に載せた目次の項目を読んで頂ければ想像できるかと思う。目次は「啄木の隠された目線(1章)~(3章)で貫いている。

最後に参考文献として列挙された著者のために私観を一言。

いづれの参考文献もゴシップ的に使われた感じがする。が、読み手(閻魔氏)によっては、自分に必要なことが書かれてあったから参考文献として掲げたということになるが、本書を読まれた参考文献の著作者たちは苦々しく思うかも知れない。

つまり全てが著者の脳裏に浮かんだことを、自分の好きなように書くために35点の参考文献を列挙したのであり、全国紙、地方紙の各新聞記事を参考にしたのであり、閻魔氏の手にかかって丸められたものであることも確かだ。

したがって本書に羅列された内容は嘘も真も混じり合っていることを念頭に置いて読むと楽しめるかも知れない。

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ゲザの戯曲・石川啄木の-1

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ゲザの戯曲・石川啄木の-2

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ゲザの戯曲・石川啄木の-3

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目次-1

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目次-2






啄木ソムリエの山本玲子さんが、新著『石川啄木 トレビアンなお話』(ツーワンライフ出版)を発行!

山本玲子著『石川啄木 トレビアンなお話』(ツーワンライフ出版:1,000円+税/委細は下記の奥付写真参照)

山本さんは元石川啄木記念館学芸員で現在、啄木ソムリエとしてフリーにて、石川啄木の文学と人との顕彰につながる活動は異色であり、研究者でありつつ、啄木の語り部でもある行動的な姿は神出鬼没のように、どこにでも現れる。

著作も異色で、今回の本は4つの章に分けられている。

本書の最大の魅力は「大きな文字、易しい解説、読者に寄り添う啄木」である。

第1章は【トリビアの部屋】としてクイズ方式で啄木のさまざまなエピソードを伝えている。

第2章には【ストリーの部屋】として啄木の生涯に起きた出来事などを4つの短編小説として書かれているが、その内容には研究者ならではの視点が見られるから、読者は小説なのか評伝なのか、戸惑うかも知れない。しかしそれが本書の魅力になっている。

第3章は【エッセイの部屋】として、著者が日頃から感じていた啄木につながる旧渋民村の風景や、啄木が触れたであろう風物などについて著者の思いが綴られている。

第4章は【論考の部屋】と題されているように4篇の啄木論が収められているが、難しい論文では無い。ここにも著者の「啄木を伝える」という思いが込められているように思った。

例えば「花婿不在の結婚式」をテーマとした論考では、これまでに多くの研究者や小説家が自分の結婚式に出席せずに雲隠れしていた啄木を追求するものでは無く、仮説を立てて養護する見方もあることを示唆している点などは研究者の視点を超えて、啄木の語り部であるソムリエの姿も垣間見える。

が、このように思うのは読者の私が愛好者である所為なのかも知ない。しかし学問的な研究者も、この視点から「花婿不在の結婚式」を再考してみては如何か、と思う。

そして最初に紹介したように、大きな文字、易しい解説、読者に寄り添う啄木の姿は魅力的である、ということを強調して置きたい

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山本玲子著『石川啄木 トレビアンなお話』表紙の表と裏面

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山本玲子著『石川啄木 トレビアンなお話』目次-1

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山本玲子著『石川啄木 トレビアンなお話』目次-2

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山本玲子著『石川啄木 トレビアンなお話』奥付





 

「大根の花」の中にいた若い男女の姿を石川啄木は見たのですが、その本当の情景とは!

東北の静かな農村の夕暮れに、啄木が見たのは、白い大根の花が咲いている畑の中で、若い男女の話し合う姿でした。

その情景を「大根の花白きゆふぐれ」と詠んだ啄木の有名な歌があります。

しかし、この情景の解釈は今、大きく2つに分かれております。そこで、とても解り易い近藤典彦先生の解釈と鑑賞を下記の写真版にて全文を紹介させて頂きました。

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「大根の花」-1

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「大根の花」-2

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「桜の花」-1

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「桜の花」-2

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近藤先生の啄木の花シリーズ掲載誌「真生」312号、313号表紙

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「真生」の発行所&発行年月日

 

ネットテレビ「じもとの放送局・市川市本八幡」が啄木特集を

千葉県市川市本八幡駅前にある「じもとの放送局」に参加している平山陽氏(劇作家・テレビデレクター・共著書に『クイズで楽しむ啄木101』(桜出版)などがある)が率いる「ダークホース~穴馬たちの挑戦~」は毎週、日曜日の午後1時から3時まで生放送で、朗読劇や千葉県市川市に伝わる伝承民話の朗読などを、平山氏の元で演劇を学んでいる若者たちが、その実習を兼ねて(聞くところによると手弁当でとのこと)力の入った生放送を続けている。

先回の放送では「石川啄木特集」として啄木短歌の朗読や平山氏の書き下ろし創作朗読劇「騙された啄木」や若者たちによる「啄木談義」を生放送で自由に喋っていたが、内容の濃いもので彼らが演劇にかける今後の人生観も垣間見られて興味深いものであった。これが現在ユーチューブで見られるので、下記に紹介して置きます。

また、生放送の方も、ぜひ、「じもとの放送局」からライブに入ってご鸞になって見てください。

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じもとの放送局キーステーションはここから入ってください。

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「騙された啄木」の脚本

朗読劇『騙された啄木の話』
https://youtu.be/QKC5PP83Ncc?t=5085

 

啄木 故郷の人を詠う
https://youtu.be/QKC5PP83Ncc?t=2827

啄木解説【東海歌の海は?&歌のモデルは?】
https://youtu.be/QKC5PP83Ncc?t=2993

朗読劇『騙された啄木の話』
https://youtu.be/QKC5PP83Ncc?t=5085

『騙された啄木の話について』
若者が啄木を語る
https://youtu.be/QKC5PP83Ncc?t=6316

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「騙された啄木」を放送中の「ダークホース」のメンバー

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生放送の公開スタジオを見ている人たち




【啄木図書:新刊紹介】山下多恵子著『なつかしき時は君を思へり 石川啄木と五人の女性』(未知谷)

山下多恵子氏は先に『忘れな草 啄木の女性たち』(未知谷:2006年)を書いて、啄木研究家としての揺るぎない山下氏の名を内外に広く知らしめた。

続けて『啄木と郁雨』や近代の苦悩した女性像を浮き彫りにした渾身の名著となった評伝『裸足の女 吉野せい』やハンセン病歌人、明石海人の評伝『海の蠍』など多くのすぐれた著書をおくり続けている。

今回の書には啄木と関わった5人の女性が、如何に明治という時代を生きたかを軸にして啄木の真実の苦悩や、その人間性を浮き彫りにしている感動の1冊であり、今後の啄木研究には欠くことのできない1書になったと思う。

ここでは、目次のみの紹介として置くが、ぜひ、お求めになって、5人の女性の優しさと、強さと、そして啄木の凄まじいほど真摯に人生と向き合った姿を読み取って頂きたいと思う。

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本書カバー

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本書の目次

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本書の奥付

 

ネットテレビで「騙された啄木」朗読劇の生放送!

毎週、日曜日の午後1時から、若手の演劇集団「ダークホース」が、〜穴馬たちの挑戦〜として、演出、脚本家の平山陽氏の薫陶を受けて、ネットテレビで2時間の生放送を行なっている。

今週は22回目の放送を記念して、

特集「騙された啄木」の生朗読劇と「石川啄木の世界〜『一握の砂』より〜」の生放送です。

このネットテレビの良さは、試聴者がチャットに随時コメントを出して紹介されることであり、その分だけ演者も、裏方のスタッフも真剣に取り組んでいることがリアルタイムで伝わってくることです。

全国的に試聴可能ですから、皆さんも、ぜひ、一度、ご試聴、そして参加してみませんか?

「騙された啄木」に期待して⁉️

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10月18日(日曜日の午後1時からの放送は以下の案内の通りです!

ーーーーー??

『ダークホース〜穴馬たちの挑戦〜#22』は?

 

10月18日(日)13時〜

本八幡駅北口 駅前

じもとの放送局 モトヤワタベースより

公開生放送!

 

【主な内容】

『市川から世界へ』をテーマに穴馬たちが様々なことに挑戦する。

司会は動物大好き・増田迅利。

【今回は明治の歌人石川啄木特集】として短歌の世界・故郷の歌のモデルになった人物達・生朗読劇『騙された啄木の話』をお送りします!

 

  • 私の一押し発表!

前回からスタートした新企画。

メンバーの一押しを熱く語るコーナー!今回は久保田貴葵が語り尽くします!

 

  • 市川民話伝承プロジェクト

市川民話の会さんご協力

『袖かけ松』

語り 久保田貴葵

 

  • 袖かけ松を訪ねて

野川直人が実際に民話の舞台を訪ね、スタジオで解説!

 

渋民村の人を詠った短歌を久保田理仁が朗読

  • 短歌解説

東海歌の海は? いくつかの説を発表。

朗読した短歌のモデルになった人は?

 

  • 生朗読劇『騙された啄木の話』 作平山陽

啄木が男に恋文を?!

実際にあった話をもとに描かれた作品を生朗読!

 

  • 騙された啄木について

読後トークと解説!

 

  • メンバーの一週間チャレンジ!

前回の放送で勝間田奈海に与えられた試練

『ジグソーパズル1053ピースに挑戦』

は超えられたのか?スタジオで発表!

更に、つぎなる挑戦者が決定する!

 

【出演】

ダークホース平山組

 

久保田貴葵

野川 直人

増田迅利

久保田理仁

岡田侑樹

勝間田奈海

安田燈路

瑛莉華

 

じもとの放送局 生配信のURLはこちら

 

www.jimotonohousoukyoku.com

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「騙された啄木」の脚本

※下の「じもとの放送局」画面をタッチすると、当日の場合には「ライブ」に移動します。

平常時や時間外には、これまで日曜日放送された番組をご覧になれます。

「じもとの放送局」ならではの企画が盛り沢山ですから、こちらも「地域起こし活動」の参考には最高の内容です!

 

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「ダークホース~穴馬たちの挑戦~」(平山組)の演者たち

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予告編の写真

 

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他にも毎週「じもとの市川市」に伝わる民話なども取り上げております

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アニメ化された啄木スタンプから

 

”啄木の知性”について、高い評価/歌人の坂井修一氏が日本経済新聞に掲載

2020年9月27日(日)の日本経済新聞(文化面)に歌人の坂井修一氏が、明治43年の「大逆事件」は日本の歴史に残る冤罪事件でありるが、国民には極秘に進められた大審院の秘密裁判を、啄木は当時、東京朝日新聞社に勤めており、友人の平出修が、この事件の弁護人の1人であったことから、事件や裁判の裏側を覗き、垣間見たことを克明に記録していたのであるが、これは戦後になって初めて世間に知られることになる。

それらのことも踏まえてであろうが、坂井修一氏は短いエッセイの中で端的に啄木の「真相を見抜く」眼力を高く評価して、「うたごころ」とは何かを語っているので、ここに紹介します。

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日本経済新聞に載った坂井修一氏の文章