湘南啄木文庫ブログ

このブログは佐藤勝が個人的に収集した歌人・石川啄木に関する「よろず」情報を紹介いたします。また、私の雑多な日常的な話題や趣味の世界(落語や演劇鑑賞、読書体験)なども記してゆきますが、いずれの部門の同好の方々からのご協力なども頂くことが出来れば有難いです。なお、石川啄木に関する文献を主にした「湘南啄木文庫」のホームページ(http://www.ne.jp/asahi/shonan/takuboku/)の方も覗いて頂ければ嬉しいです。

ジャグラ・自費出版ネット 大賞に福地純一氏の『石川啄木と北海道』第21回日本自費出版文化賞の入賞作決定

http://www.newprinet.co.jp/

印刷業界ニュース:ニューブリネットの報道記事によると下記のようになっている!

(以下は2018年9月6日付のニュース記事からの引用です書籍の写真は著者寄贈による

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湘南啄木文庫の所蔵本です)

日本グラフィックサービス工業会主催、日本自費出版ネットワーク主管の「第21回(2018年)日本自費出版文化賞」最終選考会が95日、東京都武蔵野市の東急REIホテルで開催され、大賞、部門賞など入賞作品および入選作品が決定した。同日、選考結果が発表され、大賞には、研究評論部門の福地純一著『石川啄木と北海道 その人生・文学・時代』(㈱鳥影社、モリモト印刷㈱)が受賞した。表彰式は、106日、東京都新宿区のアルカディア市ヶ谷で行われる。

毎日新聞(東京:朝刊) 2018年9月18日 市田忠義氏/上 今に生きてくる「啄木歌集」

毎日新聞(東京:朝刊)
2018年9月18日
市田忠義氏/上 今に生きてくる「啄木歌集」
ロングバージョン
10歳のころに父が亡くなり家は貧しかった。新聞小説や短歌が好きだった母の影響で自分も文学に興味を持つようになった。石川啄木にひかれたのは、中学校の国語の授業がきっかけだ。「たはむれに 母を背負ひて そのあまり 軽きに泣きて 三歩あゆまず」を読んだと思う。情緒豊かで情景が浮かぶような啄木の詩をすぐに気に入った。
 当時は本を買う余裕がなく図書館に通い詰めていた。そこで歌集「一握の砂」「悲しき玩具」を借り、合計7…

毎日新聞(東京:朝刊)2018年9月18日【蔵書拝見】市田忠義氏/上 「新編 啄木歌集」 叙情性・革新性に共感

毎日新聞(東京:朝刊)2018年9月18日
蔵書拝見
市田忠義氏/上 「新編 啄木歌集」 叙情性・革新性に共感
 中学の授業を機に石川啄木にひかれた。当時は本を買う余裕がなく図書館に通い詰めていた。歌集「一握の砂」「悲しき玩具」を借り、合計745首をほとんど暗唱できるぐらい何度も読み返した。今でも50首ぐらいは問題ない。
 啄木は平易でわかりやすい。当時は甘酸っぱいロマンチシズムに浸っていたからぴったりだった。中学・高校は野球一筋だったが、「やはらかに 積れる雪に 熱てる頬を 埋むるごとき 恋してみたし」とか思い浮かべながらじゃ強くなるわけがない(笑い)。
 恋に恋していた当時、言葉も交わさず告白もしないまま就職し、それを失恋だと思っていた。仕事後に街を歩…

岩手日報(コラム風土計)に啄木と牧水の短歌問答が登場した!

(風土計)2018.9.18

 若山牧水が友人・石川啄木の歌を評した一文は、なかなか面白い。「バカバカしいくだらぬ歌の方が多い」「どこがいいのか解らないようなところに彼の偉がある」

▼けなしているのか、褒めているのか。こう牧水は言っている。「歌を作るぞ」と啄木が構えて詠んだ作はつまらない。むしろ独り言を言うように、正直に、自然にあふれ出たものは「実にいいのがあるのである」

▼17日に没後90年を迎えた牧水は、臭みのある歌を嫌った。臭みとは気取ったり、てらったり、独りよがりの歌を指す。「歌を作るぞ」と構えるのではなく、感じたままを詠む。表現の際は「正直」こそ大事とした

▼「正直に詠まなくては駄目だ。幼稚だと思はれても構はない」「兎(と)に角(かく)、正直に、素直に詠むべきである」(「短歌作法」草稿)。同じように言葉を武器とする政治の世界も、牧水の言に学ぶべきではないか

▼「正直」を掲げて出馬しても、いつの間にか言わなくなる。それが個人攻撃に当たるからという。正直こそ大事だと、子どもの頃から教えられるのに。自民党の総裁選というものは、世間の常識と違うようだ

▼さらに党は、都道府県連に取材対応への自粛も求めた。質問に対し正直に答えることまで、やめさせるらしい。「正直」を封じた言葉ばかりでは、牧水先生が師なら見向きもしないだろう。

新刊紹介:塩浦 彰著『評伝 平出 修』〈而立篇〉 新潟日報事業社

石川啄木の晩年(と言っても23歳頃であるが)の思想に多大な影響と今に残る貴重な資料の元を与えたのは新潟出身の若き弁護士、平出修であった。

平出修は当時の政府が秘密裏に裁いた「大逆事件」(幸徳秋水事件とも)の弁護人の1人であり、明星派の歌人でもあった関係で啄木とは昵懇であった。啄木は平出修を通して政府によって仕組まれた壮大な犯罪の陰謀を嗅ぎつけたのであるが、その資料を内密に啄木に見せたのは正義の弁護士・平出修であった、と書けば小説風であるが、本書では啄木の登場は後ろの方(217P~283P)である。

写真版で目次を紹介するが、第7章、第8章で、二人の関係は初期の部分である。したがって、著者の「あとがき」に記された「本書の続編、三十九歳で没した修の後半生を「不惑編」として刊行することを期したい。この続編こそが、言論思想の自由を求め続けた修の闘いを、具体的に書き綴る」ものだ、と記されているので、啄木と修の本当の熱い出会いは続編に書かれるものと思うが、日本の暗黒時代の法曹界にあって今もその名を残す若き弁護士平出修の評伝を書き継ぐ著者は80歳を超えてなお、熱い塩浦彰氏の迫力に圧倒される思いで一気に読ませて頂いた。本書はまことに貴重な啄木関係図書である。

※書誌メモ「著者:塩浦 彰『評伝 平出修』〈而立篇〉四六判 301頁 1389円+税 2018年9月14日 発行:

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