湘南啄木文庫ブログ

このブログは佐藤勝が個人的に収集した歌人・石川啄木に関する「よろず」情報を紹介いたします。また、私の雑多な日常的な話題や趣味の世界(落語や演劇鑑賞、読書体験)なども記してゆきますが、いずれの部門の同好の方々からのご協力なども頂くことが出来れば有難いです。なお、石川啄木に関する文献を主にした「湘南啄木文庫」のホームページ(http://www.ne.jp/asahi/shonan/takuboku/)の方も覗いて頂ければ嬉しいです。

啄木の歌集外歌「床屋の歌」を読む歌人!

啄木には『一握の砂』と『悲しき玩具』の二冊の歌集があることは承前の通りですが、歌集の収められなかった多くの秀歌があることは各種の文庫本などでも広く知られているが、短歌結社誌「りとむ」(2024年3月)にて倉重恵造氏が珍しい歌を取り上げておられて啄木愛好者である私は嬉しくなった。

 

  ふるさとの床屋の鏡わが顔と麦の畑をうつせし鏡

 啄木の歌集外歌のみを取り上げて解釈と鑑賞を付して一冊の本にした望月善次氏の労作もあるが、今回のように思いがけない啄木の歌に出会うと、また、文庫本の(私は久保田正文編の旺文社文庫が好きだ)歌集外歌の頁を開きたい心持になる。

倉重恵造氏の啄木短歌を引用したエッセイと掲載誌「りとむ」2024年3月