少し紹介が遅れてしまったが、去る7月23日(木)の朝日新聞(文化面)に掲載された放映中(当時)のアニメ化された伊井圭原作『啄木鳥探偵處』(創元社文庫)をアニメ化して12回にわたってフジテレビ系の地方局からの電波も駆使して全国的に放映されたもので、BSフジテレビでは日曜日の夜12時からの放映であったにもかかわらず、若者間でも話題になるほどの人気を得た作品であったようだ。
現に私のような年配の啄木愛好者にも、懐かしい、本当の啄木伝のようだ、と言った声が伝わってきた。
そのアニメ化された「啄木像」について、若手の現代歌人である山田航氏が、見事な人間啄木を捉えた所感を寄稿されている。
有難いことに先日、友人から写真版、そして昨日は、別の友人から新聞の現物が送られて来た。
私が「100年後に残る自著」として自負しております『続・石川啄木文献書誌集大成』(桜出版:2018年12月1日発行)と『石川啄木文献書誌集大成』(武蔵野書房:1999年11月1日発行)の2冊の自著を挙げて恥としないことは、2冊の大著(550頁を超える上製本)を刊行できたのは、このような全国に住む多くの人たちからの協力があって集められた文献を基にして3万点を遥かに超える詳細な文献を紹介できたものなのです。続編には、予約者限定にて手製のCDに「正続」2冊の文献情報すべてを入れて無料で差し上げました。本書は国会図書館以外は寄贈されておりませんが、若い人にはCDも付けてあげた方が利用しやすいと思ったからですが、これが多くの人に喜んで頂いております。続編の価格は桜出版の代表が自腹を痛めて母校の先輩である啄木へのオマージュとして捧げてものであったからでしょう、文献の出版関係に詳しい知人から10分の1以下の定価だと聞いて私も驚きました。刊行1年半の今、残部も僅少と聞いてホッとしておるところです。
若い啄木読者は勿論ですが、年配者の中にも、再読したり今回のアニメ化された啄木像に刺激されて、啄木をもう一度読み返したくなった、という声も多く聞かれます。
そのような中で昨年の7月に発行した大室精一・佐藤勝・平山陽の共著『クイズで楽しむ啄木101』(桜出版)は、コロナで家に籠もる時間が多くなった今だから、家族で楽しめる本だと、発行して1年後の今になって、再び話題に載せて頂けることが多くなっていることも付記して置きたいことです。
中学生には、これ知っている、という喜びと、啄木愛好者はもちろん、研究者をも「うーむ」と言わせてしまう仕掛けもあります。
手ごろな価格(1200円+税)なので、未見の方はぜひ、一読ならず、二読、三読してお楽しみ頂けると著者の1人としてでは無くて、長年の啄木愛好者の1人としておすすめいたします。