年末の28日に図書館に申し込んでいた2冊の短歌誌(「短歌」「歌壇」各12月号)が届いた! 「短歌」には松村正直氏の「啄木ごっこ」(74回・最後の転居)が載っており、この連載を読む楽しみも4年の時間が流れたことを思い、良くぞ此処まで足と手で調べて書いてくださったと云う感動の思いで今回も最初に読んだ! 以前に松村氏がXTwitterに「啄木ごっこ」の連載も「第80回で完結の予定。啄木の死期が近づいてきて、だんだん書くのが辛くなってきた。」と書いておられたことを思い出した。
読者の私も辛くなるんだから書き手の方には尚更のことと思う。 だが、私は単行本になることを信じているから今年の6月号の最終回も楽しみにしている。 さて12月号の「最後の転居」は文京区小石川の啄木終焉の地である。此処には啄木終焉の地を記念して文京区が建立した啄木歌碑と顕彰室がある。 この歌碑や顕彰室を実現させるためには10数年前から国際啄木学会東京支部(当時)の会員5名と小石川自治連合会の役員3名が文京区や東京都教育委員会などに働きかけるなどの努力を重ねて、ようやく建立にこぎつけた経緯があることを思い出しながら読んだ。
これらの経緯は小冊子にまとめられているが、そこにはまさに啄木の終焉の地に相応しいような努力のあったことも、今は懐かしく思い出される。 ここでは松村氏が撮影された雑誌の写真のみを掲載させて頂きますが、本文はお近くの図書館などでぜひ、ご覧になってください。今連載中の終盤の部分から読んで見ると単行本となった本をさらに楽しめるようになると思うから。
なお、「歌壇」12月号には昨年6月に開催された【現代歌人集会春季大会】~講演をもとに~では川野里子氏の貴重な講演記録【私達は今どこにいるのか一短歌と世界文学】が載っており、川野氏が与謝野晶子、石川啄木などの功績を高く評価して現代の私たちは先人が残した物からもっと学ぶことがあるのではないかと語りかけ講演を再現しているので先人の歌や生きた時代を知るためにもおすすめの啄木文献であると私は思った。
また「短歌」12月号は「歌が成熟する時」と題した特集頁があり、其処で島田修三氏が総論として、「歌作における成熟とは何か・人の成熟、歌の成熟」(全4頁)の冒頭に啄木の歌と人に触れておられるが短文ながら心に響く説得力のある文章なので前半の少しだけ紹介するが、こちらもぜひ、特に短歌や啄木に興味のある方は読まれることをおすすめする。