北海道新聞記者の黒川伸一氏(文)と小川正成氏(写真)による明治41年1月に釧路の駅に降り立った啄木が見た当時の風景と啄木の心境を2面にわたる特集記事として伝えている。
この新聞は北海道在住の友人から送って頂いたものであるが、それを写真にて紹介する。
一昨日(2月2日)の釧路は零下15度であったと友人の手紙には書き添えてある。
明治期の釧路の真冬は今の私たちの想像を超える寒さであったことは確かであろう。
啄木はそのような環境の中で何を得て、何を残して釧路を去ってきたのか。
黒川記者の文節からは、それらを示唆する言葉も読み取れる。
個人的な話だが黒川記者には私も2回ほどお目にかかったことのある。北海道に於ける啄木の姿を折に触れて紹介されてきた記者であり、その誠実な人がらも記憶している。今回の記事を拝見して黒川記者の啄木探究とその温く、啄木の人間性を見つめる記事に深く感動した。
小川正成氏が担当された写真にも今なほ真冬の釧路の厳しさを伝えるためのご苦労が垣間見られて、思わず写真に見入ってしまったことも記して置きたい。 (2023年2月4日 湘南啄木文庫 主宰 佐藤 勝)