湘南啄木文庫ブログ

このブログは佐藤勝が個人的に収集した歌人・石川啄木に関する「よろず」情報を紹介いたします。また、私の雑多な日常的な話題や趣味の世界(落語や演劇鑑賞、読書体験)なども記してゆきますが、いずれの部門の同好の方々からのご協力なども頂くことが出来れば有難いです。なお、石川啄木に関する文献を主にした「湘南啄木文庫」のホームページ(http://www.ne.jp/asahi/shonan/takuboku/)の方も覗いて頂ければ嬉しいです。

「湘南啄木文庫収集目録」第29.30合併号を発行しました!

先日、国立国会図書館資料収集係というところから「湘南啄木文庫収集目録」第29号以降が届いて無いが、発行されているなら送ってください。休刊、終刊の場合には同封の用紙に記載事項を記して返送してください。という手紙を頂いた。「湘南啄木文庫収集目録」は年に1回、平成元年より1月に発行している個人誌であるが、国会図書館資料収集係が、この小誌を待ってくれていたのかと思ったら有難く、嬉しくなった。

実は印刷製本は公共の機関向けの分だけでも、と思いながら3月には出来上がっていたものを雑用に追われて怠っていたのだが、この度早速に各公共的関係機関(啄木の資料を保管する)と一部の関係者に送本した。以下の文章は29,30合併号の「編集後記メモ」からの抄出である。

【編集後記メモ】(抄)

昨年は「湘南啄木文庫収集目録」第29号を発行することが出来なかった。創刊号以来2回目の合併号となる第29・30号をお届けします。なお、メール添付の送信者には、ご自分の使い易い方法で活用して頂ければ嬉しいと思いましてワード形式で入力したものを添付致します。一般に印刷したものは一部の高齢者と公共機関にのみ寄贈版としてお届けいたします。その他の方々には湘南啄木文庫のホームページから印刷してお使い頂けるように考えております。本号の記載方法は28号までと異なり、すべて編年体として載せました。これは本年4月13日に刊行日が決まった『補輯 石川啄木文献書誌集大成』(桜出版)と『石川啄木文献書誌集大成』(1999年・武蔵野書房)発行の拙著に倣ったものです。

昨年の7月以降数人の「湘南啄木文庫友の会」の方々に何度か途中経過を含めて本目録の草稿を送信して参りましたが、そのつど、多くの遺漏や誤字脱字をご指摘くださいました方々には、感謝以外の言葉がありません。特に国際啄木学会の太田登先生、石川啄木記念館館長の森義真様には、公私にわたりお世話になっておりますが、本目録についても懇切なご指摘を頂きました。感謝です。今は30号を送り出せることを最大の喜びと感じております。本号に収録した文献数は平成28年度発行1,017点、平成29年度発行633点、総数1,650点です。

76年間の私の人生の中には、たくさんの思いがけないことがありました。その中で何よりも感動したのは、二人の息子たちの誕生の時であったと思います。あれから45年の月日が流れました。そして平成27年の暮れには家内が、進行性胃がんの末期症状です、と告げられた時が人生最大のピンチに立たされた気持ちでした。それを今年の年賀状に書き込みました(啄木関係者以外の知人に送った以下の文言)「(略)2年半前に家内が秦野日赤にて胃癌の末期と診断。その後、東海大学伊勢原病院での検査は3カ月にも及びましたが結局は開腹したところ、結果は、胃癌の中期症状と診断。術後は抗癌剤治療を辞退しておりますが、既に2年を経過した今は日常生活にストレスの無いのが何よりの特効薬であるとの持論を展開して、すこぶる元気に過ごしております。(略)」が、家内の末期がんの症状は誰もが意外と思う方向へ進展しました。ここでも私は人生最大の感動と、周囲(特に家族や身近に住む友人、知人に)の人々に感謝をささげたい気持ちでいっぱいでした。

表紙に載せた写真は桜出版のニュースパンフからコピーしたものですが、『補輯 石川啄木文献書誌集大成』刊行の遅れの原因は私の作業の遅れが一番の原因でありました。前記の太田登先生や森義真様にも大変貴重な時間を割いて頂きまして拙稿のご高閲を頂きました。桜出版様にも何かとわがままや、ご無理なことを申し上げつつもようやく4月13日の発行を目指して邁進しております。

今年中に発行予定の啄木関係図書の情報は一昨年、岩手日報に連載された「啄木・賢治の肖像」が『持ち運べる 啄木・賢治』として岩手日報社から刊行予定。河野有時氏が『啄木短歌論』を笠間書院より3月発行予定。村松善氏は「啄木日記研究」の成果を近日中に出版すると賀状に書き添えて頂き感激。近藤典彦氏からも執筆中の「啄木評伝」(仮称)脱稿も間近との賀状を。歴史小説家の好川之範氏からは本年4月刊行の著書『北の会津士魂』(歴史春秋社)の中に「啄木と福島県人」をとり上げた1章を入れたと記した賀状を。韓国の尹在石氏は「石川啄木」についての論文や詩歌の翻訳をまとめて韓国の出版社(未定)から近日発行の予定。オーストリア在住のリーンハルト先生がドイツ語で訳された『悲しき玩具』が間もなくスイスの出版社から刊行される予定。また、一昨年の末に啄木研究史に残る大著を出された大室精一先生は愛好者向けの『啄木そっくりさん』と『クイズで楽しむ啄木』(仮称)の2冊を企画中。「クイズで楽しむ」の本には、新鋭の若き劇作家である平山陽氏と私も加えて頂くことになって、楽しい啄木の本を作ることを目標として大室先生を中心に只今、進行中。なお、この2冊は今年の12月に桜出版より発行される予定。  以上。 (2018年2月10日)

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