啄木友人とお呼びするには、お二人とも恐れ多いお方ですが、このお二人なら、そんなこと気にしないで良いんだよと口を揃いて言ってくださるような人たちなのです。
しかし、その著作はどの1冊をとっても心打たれてしまうものばかりなのです。
ゆえに、私にとっては心して読みたいのです。その著者から二冊の本が本日、同時に頂きました!
山下多恵子編『恋する昭和 芝木好子アンソロジー』(未知谷)!
三枝昂之著『跫音を聴く 近代短歌の水脈』(六花書林)!
どちらを先に読むかは決めて無いが、どちらも読み進めたらドキドキしそうな二冊を前にして私の心は嬉しい悩みを持て余している。
なんと贅沢なことであろうと思う!
山下氏は忘れられない作家「吉野せい」の評伝『裸足の女』という名著をはじめ、ハンセン氏病の歌人「明石海人」と同じくださいハンセン氏病の作家「島比呂志」の評伝『海の蠍』や多数の啄木図書の著者であり、どの本を読んでも読後の感動が長く心に響いて残る作品ばかりである。
また、三枝氏は現代歌人を代表する1人であり、歌集をはじめ、多くの著作を送り出しているが歌人でもありますが私は、その大歌人の三枝氏と国際啄木学会の場にて知り合い、その気さくなお人柄から私などにも気にかけてくださるのことに感謝の思いを抱いているが、三枝氏に接して私が感じたのは、氏は、その根本に都立の定時制高校の教師を長年勤めた経歴から培ったのであろうか「人の身分に上下無し」という思いが染み込んいるような雰囲気である。
近年は日本国天皇が主催される正月の恒例行事である歌会始めの最高位の召人を務めておられるが、この時にテレビで見る姿が、私と啄木の歌や人物について話す時に少しも変わら無いように見えることなどから、この人の書いた物には本物がある,という強い信念が私の心を占めているのです。
数年前に出た『啄木 ふるさとの空遠みかも』(本阿弥書店)や『昭和短歌の精神史』(角川書店)などは、三枝氏の人がらを見るように、何処にも公平な眼を向けて近代以降の短歌界を論じた感動の一冊でです!
私はこの書を読みながら涙が込み上げてくることを禁じ得なかったことを今も覚えている。これは文庫本になって今も手軽に読める書であるから未読の諸兄姉には、山下多恵子氏の著作と並べて三枝氏の上記の2冊もお勧めしたい。
さて、私は今夜から並読という方法で、しぼしの楽しみを堪能させて頂くことになりそうです!