湘南啄木文庫ブログ

このブログは佐藤勝が個人的に収集した歌人・石川啄木に関する「よろず」情報を紹介いたします。また、私の雑多な日常的な話題や趣味の世界(落語や演劇鑑賞、読書体験)なども記してゆきますが、いずれの部門の同好の方々からのご協力なども頂くことが出来れば有難いです。なお、石川啄木に関する文献を主にした「湘南啄木文庫」のホームページ(http://www.ne.jp/asahi/shonan/takuboku/)の方も覗いて頂ければ嬉しいです。

4年ぶり「小樽啄木祭」で『東京の「啄木日記」を歩く』の著者、中川康子さんが講演!

一昨年に発行された中川康子氏の著書『東京の「啄木日記」を歩く』このブログにても紹介しているが、啄木愛に満ちた懇切丁寧な文学散歩に驚いたが、その著書は刊行間もなくして品切れという好評であったことも、その内容と著者の啄木愛が導いた評価の高さである。

北海道新聞、(2回も紹介)「国際啄木学会研究年報」など各所で各氏が賛辞を送っていたことも頷ける。今回は著書を読まれた小樽啄木会の皆さんから請われての講演というのも理解できる。北海道で今、一番、啄木愛を持って活動しているような方である。

北海道新聞が今回も記事として伝えたことは中川康子さんの著書の功績の大きさからでもあろうと思われる。

下記の写真は北海道新聞のネット版無料会員向け限定記事の写真版です。

北海道新聞2023年5月28日号(石狩ネット版記事)

ーー★★★ーー

啄木記事(其の2)

岩手日報2023年5月22日から

~不満の残った「盛岡文士劇」の裏側事情~

去る5月20日に文京区役所シビック大ホールにて上演された「盛岡文士劇」は入場者の各席の7割ほどであったが、チケットの発売方法に少し疑問を感じた。

平日なら知らず、都内で土日の演劇は少なくとも大小合わせて十数カ所で上演されている。特に小さな劇団では当日払いの申し込み無しでも入れる所も多くある。

演劇に詳しい人なら誰でも知ることであり、発売前から「入手困難かも」と聞いてトキメクのは若い人であり、啄木の演劇と聞いて、見たいと思う人は現在の東京の若い人は1400席の一割も無いと私は思う。

啄木の演劇なら見たいと思う人の多くは高齢者であり、その高齢者の多くはネットでピアを利用してチケットを確保できる人は何割いるであろうか。それらを考慮せずに昨年、盛岡で上演した時は昼の部も、夜の部も満席で購入できなかったという人気を前宣伝用にしたことは如何なものかと思う。

これらのことは岩手日報は伝えて無いが、入場料の金額にも疑問があった。文壇では人気のある文士の方々の出演と云うが、啄木の愛好者の多くは文士の方々ではなくて、ちょい役で出演した石川啄木の直系の子孫である啄木の曾孫(石川真一氏)と金田一京助の孫(金田一秀穂)さんを見てみたいと云う人が私の見た限りでは多かったように思う。

私も昨今の文学作品も少しは読むので羽田圭介内館牧子井沢元彦、ロバート・キャンベラ各氏の名前と少しの作品は読んでいるが、当日の高齢者の多くは「盛岡弁の芝居」に喝采を送っていたように思われた。

しかも事前に配付されたチラシにあった安藤和津(女優)さんなどは出演されてなかった。

4月の半ばになってチケットの売れ行きがイマイチと聞いて知り合いにメールと電話で観劇をすすめたところ、チケットの取り方と盛況だという事前の宣伝が混み合う場所に無理して行きたいとは思わないと云われて電話の予約も可能と知らせてところ、私に事務局の方が知らせてくれた番号は現在使われていません、とテープが流れている。家電話からの番号にかけたらコンビニ決済で5000円の券を買うのに2200円別料金がかかり、結果は7200円になったと当日、顔を合わせた知人から云われて驚いた。結局、チケットの件は電話予約で当日払いで済んだのは私の知人(当日28名ほどおられた)では1名だけであった。それも5日ほど前に三度目に掛けた電話で事務局の方が教えてくれた番号は事務局の番号であった。

これらを思いながら、啄木関係の文士劇なら文京区で1400人の客席も埋まるだろうと考えた実行委員会の方々にはお気の毒だが、見られなかった人の残念さを汲取ってほしいので苦言を呈して置くことにした。

啄木と無縁の文士劇であれば私は見て無い筈だから岩手日報の記事は正しいかも知れない。

岩手日報の盛岡文士劇に関するネット版記事