湘南啄木文庫ブログ

このブログは佐藤勝が個人的に収集した歌人・石川啄木に関する「よろず」情報を紹介いたします。また、私の雑多な日常的な話題や趣味の世界(落語や演劇鑑賞、読書体験)なども記してゆきますが、いずれの部門の同好の方々からのご協力なども頂くことが出来れば有難いです。なお、石川啄木に関する文献を主にした「湘南啄木文庫」のホームページ(http://www.ne.jp/asahi/shonan/takuboku/)の方も覗いて頂ければ嬉しいです。

啄木を殴った男・”小林寅吉”の生涯を新聞記事で綴った大著の発行!

本稿は2021年8月22日にFacebookの「石川啄木愛好会」、Twitterの「湘南の啄木」、又、ブックマークの「佐藤勝」の頁にて紹介したものですが、本家でもある「湘南啄木文庫」のブログに転載することを失念しておりましたので、始めにそのことのおことわりとお詫びをしておきます。

したがって以下の文章は上記のネットに載せたものと同じものです。

 

【蛮寅の紹介】

一昨日、驚くような啄木関係図書が送られてきた!
A4判サイズ(週刊誌より大きな判です)、全275頁、著者の自費出版書です。
驚くのは、その内容です!
啄木を殴った男、小樽日報社の事務長・小林寅吉(後の中野寅吉・衆議院議員)が、どのようにして国会議員となり、「蛮寅」ので異名をもってひろく世間に知られる男になって行ったのか!


福島民友の主に政治担当記者として長年勤めた経験から得た著者独自の手法を用いて本書は中野寅吉に関する新聞記事を主流にして、啄木研究書を傍系に置いて記事からの整合性を正しながら、約60万字に近い400字詰原稿用紙1500枚の大著を刊行したのである。
しかし、何故かこの、びっしりと詰められた文字間からの息苦しさは感じ無い!
むしろ、爽快な感じがするから不思議だ!
それは、新聞記事という、一般的な文言を持って書かれた文章を軸に置いて、啄木研究者の文献を引用し、双方の相違などは著者の註釈で補うという手法による効果の所以であるように感じた。
まだ、半分ほどしか読めて無いが、明治、大正、昭和の新聞記事をそのままの文言で引用していることで時代の変化と共に「中野寅吉」(養子となって小林から変わった)という人物を浮き彫りにして行く過程には、戊辰戦争から太平洋戦争までの世の中の変容もあって、言い難いほどに面白い本になっている。
そして啄木と寅吉の関係も新しく見直したくなるような人物像が浮かんでくる。 

【追伸】
本書を入手しての購読を希望される方は、著者(菅家健司)まで(実費3000円を同封して現金書き留めにて)直接申し込みくださいとのことです。
但し、少数の発行なので、この本は石川啄木愛好会の方にのみ、公開されることです!
私は昨夜、話した2人の方の分を明日、申し込みしてあげることに致しました。
著者の住所は最後の奥付の写真を見てください。

【追記2021年11月4日】

本稿が載って既に70日が経過しておりますので、著書の在庫の有無は往復ハガキで著者に問合せてから送金して申し込みされることをお願い致します。

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「啄木を殴った男」の表紙 

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「啄木を殴った男」目次ー1

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「啄木を殴った男」目次ー2

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「啄木を殴った男」奥付(著者の連絡先が記載)