湘南啄木文庫ブログ

このブログは佐藤勝が個人的に収集した歌人・石川啄木に関する「よろず」情報を紹介いたします。また、私の雑多な日常的な話題や趣味の世界(落語や演劇鑑賞、読書体験)なども記してゆきますが、いずれの部門の同好の方々からのご協力なども頂くことが出来れば有難いです。なお、石川啄木に関する文献を主にした「湘南啄木文庫」のホームページ(http://www.ne.jp/asahi/shonan/takuboku/)の方も覗いて頂ければ嬉しいです。

「釧路春秋」文学賞を北畠立朴氏が受賞!

本年4月に発表された「釧路文学賞」は北畠立朴氏の「梅川操の言葉を信じたく候」に決まって、作品は「釧路春秋」84号(2020年5月発行/釧路文学団体協議会/1200円)に掲載された。

石川啄木に関心のある人なら「梅川操」という名前を記憶している人は多いと思うが、啄木が釧路に滞在中のことで有名なのは芸妓の小奴との恋仲であったとう話しであるが、これは歌集『一握の砂』の中に小奴を詠んだ数首の歌が収載されていることからであり、啄木自身の日記などにも小奴の名前は度々登場することから後の研究者が小奴を訪ねて問いただしたりして、本人もプラトニックな恋人であったことを語り、また、記したりしている。が、実は小奴には恋敵でもあった梅川操という女性の居たことはあまり知られていない。

それは啄木の日記に悪い印象を与える女性として登場したことで当人の梅川操は、啄木を憎む言葉だけを残しているからである。

今回の北畠立朴氏の論稿ではその事情を詳細に調べて書かれているのだが、小奴という啄木の恋人?的な存在の影を払拭することに成功しているかというなら、私は何か1つの確たる証拠に欠けているような印象が残った。しかし、北畠立朴氏の渾身の研究論であり、私の先入観が邪魔しているとも思う。そこで、興味のある方は6頁にわたる論稿の冒頭から2頁までを写真版で載せましたが、残りは本書を取り寄せてお読みください。

※本書の入手方法は下記の通りです。

釧路市内の8店の書店にて発売中です。又は「釧路文学館」に問い合わせてください。

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「釧路春秋」84号



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北畠立朴氏の「梅川操の言葉を信じたく候」6の1

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「梅川操の言葉を信じたく候」6-2