本書にはそのような著者がこれまでに雑誌や新聞など書いてきた短い文章だけを選んで収めてある。
著者は(本書を)「まとめながら、相応の年月がぎゅっと凝縮されているのを改めて感じた。」と「あとがき」に記している。まことに言い得た言葉である。
早速に読んでみて、書名の「真珠時間」の意味が解ったような気がした。収められた文章はすべて、1頁から2頁ほどの短文であるが、この文章の内容が、どこをよんでも高級な光を放つような文章の多い1冊なのである。
私の好きな啄木はどのように綴られているのか、そして、どのような歌から時の話題は切り込まれているのか、などを知って頂くために3篇ほど、写真を載せるので、ぜひ、書店で手に取って頂きたい。その時、貴方は多分、手にした本が離せなくなるでしょう。