湘南啄木文庫ブログ

このブログは佐藤勝が個人的に収集した歌人・石川啄木に関する「よろず」情報を紹介いたします。また、私の雑多な日常的な話題や趣味の世界(落語や演劇鑑賞、読書体験)なども記してゆきますが、いずれの部門の同好の方々からのご協力なども頂くことが出来れば有難いです。なお、石川啄木に関する文献を主にした「湘南啄木文庫」のホームページ(http://www.ne.jp/asahi/shonan/takuboku/)の方も覗いて頂ければ嬉しいです。

旧制盛岡中学の文学の流れ

森 三紗著『宮沢賢治森荘已池の絆』(1800円+税・コールサック社・H29・4)の中に「石川啄木宮沢賢治森荘已池―『一握の砂』発刊百年に思う―」という短い文章が収められている。著者の森氏は戦前の直木賞受賞作家であ森荘已池の末娘である。
森荘已池と啄木は直接的な関係は無いが旧制の盛岡中学の10年後輩で詩人の宮沢賢治
そして森荘已池は賢治の12年後輩である。
本書の中には盛岡中学を軸にして3人の偉大な作家がいる。
森荘已池は会ったことのない啄木を敬愛する文学少年期を経て宮沢賢治と奇跡の友情が結ばれている。
娘が父から直に見聞きしたことの説得力は強く心に響く。
啄木に触れた箇所が少ないのは残念だが盛岡中学の文学の流れを知る上では貴重か生の証言の一書である。

なお、詩人でもある森三紗氏の文章は美しくて解りやすい。さf:id:s-takuboku:20180601121634j:image